三樹の教え

今夏の呑石書法展における岡庭呑石先生の作品をご紹介したいと思います。

 

まず、「三樹」。

これは中国の「管子」の中に出て来る言葉です。

斉の宰相・管仲は次のように言っています。

「一年の計は穀を樹(う)うるに如(し)くはなし

十年の計は木を樹うるに如くはなし

終身の計は人を樹うるに如くはなし」

 

「一年の計ならば穀、十年の計ならば植林、そして終身の計ならば人」。

この三樹の教えは、人材育成が何より大切であることを説いています。

 

大きく「三樹」とあり、その下に3つの計が並んでいます。

力強く、それでいて字の配置も巧みな作品です。

力強い横の三本線が効いています。

 

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カープ連覇!!

カープがセリーグ連覇を果たしました。

9月に入ってからの快進撃を見れば優勝は確信していましたが、やはり嬉しいものです。

昨日時点で2位阪神に11ゲーム差。

ダントツの強さだったと言えるでしょう。

 

黒田博樹投手は引退し、昨年活躍したジョンソンは戦列を離れていましたが、代わって若手の薮田が14勝を挙げています。

野手陣も若き4番バッター鈴木誠也が誕生し、その鈴木が怪我をしても松山が代役を果たす。不動の1~3番の田中・菊池・丸(タナキクマル)の同級生安部もレギュラーに定着しました。

実に選手層が厚くなったと感じます。

だからこそシーズン通しての長丁場を戦いきることができるのでしょう。

 

カープの黄金時代到来の予感がします。

リーグ初優勝を果たした1975年(昭和50年)から1991年(平成3年)にかけては、6度の優勝、うち日本一が3度、Bクラスに落ちたのは2回のみ、という成績を残しています。

常に優勝の可能性のある位置につけていたこの時代を第1期とすれば、第2期が走り出した感があります。

50年来のカープファンである私とすれば、昨年の25年ぶりのリーグ優勝とはまた違った喜びをかみしめています。

 

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昨年の優勝胴上げシーン

党利党略 私利私欲

政治は、権力を奪い合う権力闘争の一面を持つことは否定できない。

しかし、そのことのみが前面に出るようでは情けない。

政治に希望を託すことができなくなる。

 

いつ選挙をやれば勝てるのか。

群馬県知事選のような地方権力でも、その視点から多少でも現職に有利なように選挙期日を前倒しにしようとする。

対立する新人候補が少しでも準備ができないようにするためだ。

 

任期4年の衆院選では解散権が認められているから、4年間で最も権力側に都合のいいタイミングで解散権を行使しようとする。

危機の迫る国際情勢も、疑惑に満ちた国内の政治状況も、そっちのけの党利党略が跋扈することとなる。

政治家の果たすべき仕事は二の次。

要は勝てるかどうかが全て。

こうした党利党略、私利私欲によって、一般有権者から政治はますます遠くなる。

秋 人恋し

日本の俳句でも短歌でも、人恋しと詠み出せば、何とか形が出来て、さまになる、と言った方がいますが、確かにそういう気がします。

季節の中でも、とりわけ人恋しと感じるのが、秋です。

夏が過ぎ、これから冬へ向かうからでしょうか。

 

「肩に来て 人懐かしや 赤蜻蛉(あかとんぼ)」

夏目漱石

志野焼

自分で買った焼き物は初めてだと思います。

正確には自分でというより、群馬のある方のご紹介で買わせていただいたというのが正しいのですが。

 

志野焼の小服の茶碗です。

小服というのは珍しいのだそうですが、持ち歩きに便利で重宝するとのこと。

白地に、自然に出る緋色が美しいと思います。

 

志野焼とは、 16世紀の桃山時代に、現在の岐阜県など美濃地方で焼かれ始めた陶器です。

日本人が作り出した初めての白い焼き物と言われています。

人間国宝の故荒川豊蔵氏が昭和初期、桃山時代の志野の名陶が、美濃地方で作られたことを突き止めるとともに、江戸時代に技法が途絶えた志野の再現にも成功したそうです。

ちなみに、この志野焼は、川端康成の小説「千羽鶴」にも登場します。

 

岐阜県の多治見で産声を上げた茶碗が、群馬に住まいする私の所に来てくれました。

焼き物は使い手が育てるものと伺ったところです。

日々の暮らしで使いながら、大事に育てて行きたいと思っています。

 

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散りぬべき時

過日の第29回呑石書法会展で心に残った言葉と作品を、ご紹介します。

 

「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なり 人も人なり」

細川ガラシャの辞世の歌です。

 

細川ガラシャは明智光秀の娘。

父光秀は、ガラシャの母である夫人が亡くなるまでは側室も置かず、大切にしたそうです。

ガラシャは15歳の時、織田信長の勧めで細川忠興に嫁ぎます。

3男2女をもうけていますが、嫁いで4年、本能寺の変により父光秀が信長を討ちます。

逆臣の娘となったガラシャは一時、幽閉もされますが、許された後、キリスト教と出合うこととなります。

細川家は関ヶ原の戦いで徳川方につきますが、人質を取ろうとした石田三成側に屋敷が取り囲まれた時、ガラシャは家老に胸を突かせて死んだと言われています。

享年37歳でした。

なお、ガラシャはラテン語で恩寵・神の恵みという意味だそうです。

 

作品は前橋の茂木宗正さんという女性です。

華道や茶道にも通じておられる方です。

この辞世の歌には、美しく聡明であったガラシャの凛とした心持ちが込められています。

 

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子育て四訓

先日の第29回呑石書法会展は盛会裏に終わりました。

来年はいよいよ30年の節目を迎えます。

 

書道展に出展するのは苦労するのですが、岡庭先生の作品はもちろんのこと、他の方の作品を鑑賞することは私にとってはとても楽しみです。

それぞれの創作の苦労の跡が偲ばれるとともに、思いがけず素晴らしい言葉に出合うこともあるからです。

今回もいくつかの出合いがありました。

 

その一つが、「子育て四訓」です。

お書きになったのは松村邦子さんという方で、子育てに取り組んでいるお母さんでもあります。

出典は不詳のようですが、子育ての心得として心に残るものがありました。

子供の成長に応じて、親の役割も変わるのですね。

 

「乳児はしっかり肌を離すな

幼児は肌を離せ 手を離すな

少年は手を離せ 眼を離すな

青年は眼を離せ 心を離すな」

 

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おでん とうめし

コンビニにおでんが並ぶ季節となりました。

おでんが一番売れるのは、意外にも寒い冬ではなく、秋口なのだそうです。

 

日本橋にある「お多幸」本店は、おでんの老舗です。

お昼に東京駅の近くにいると、そこの名物料理「とうめし」が食べたくなります。

 

お多幸は東京おでんの店で、大正12年(1923年)創業の老舗です。

そこの「とうめし」とは、ご飯の上におでんダネの豆腐をまるごと一丁乗せたものです。

いたってシンプルな料理ですが、これが旨いのです。

味の染みた豆腐そのものが美味しいのと、その豆腐に、出汁で固めに炊かれた茶色のご飯がよく合うのです。

食べているうちにおでんつゆがご飯に染みて来るので、最初、固めと感じたご飯がちょうどよい感じになってきます。

最後の方はさらさらと食べることができるようになるので、変化を楽しむこともできます。

 

お昼のとうめし定食は、このとうめしに、いくつかのおでん種と味噌汁や漬物が付いています。

値段も安いので、お昼時は少し行列も出来ていますが、東京駅の八重洲口からも近いのでオススメです。

 

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館林 城沼

群馬県の東部にある館林は、沼の多い街です。

その中の一つ、城沼(じょうぬま)のほとりに佇むと、得も言われぬ郷愁を覚えます。

城沼は、東西約3.8km、南北約0.2kmの東西に細長い沼で、周囲は約8km、水深は約1.5mあります。

館林市の市街部を東西に流れる鶴生田川を水源としています。

歴史的にはかつて館林城はこの沼を天然の要害としても利用していたようですが、今は、日本の原風景とも言ってもよいような、のどかで平和な時をそこに感じることができます。

 

そのほとりで「川魚料理」の看板を見つけ、鰻を食しました。

美味なる鰻でした。

欲張って、鯉の天ぷらも。

こちらも大変美味しくいただきました。

 

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館林・城沼の風景

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城沼のほとりの「川魚料理」の店

鼓(つづみ)の話

先日開催された前橋での呑石書法会展の会場で、創作能が披露されました。

日本の小鼓とスペインのフラメンコの共演は、本邦初公開。

「天の岩戸」神話をテーマに、伝統芸能のサイドから新たな分野に挑戦する気概を感じた意欲的な公演でした。

 

その後、行われた懇親会の場で、小鼓奏者の今井尋也さんから興味深いお話を伺いました。

今使っている小鼓はおよそ400年前のものだそうです。

ストラディバリウスに先んじること、100年ということになります。

安土桃山時代ですが、技術の粋を極めたもので、日本の歴史上、それ以上の技術は出ていない、まさにピークであったということです。

この鼓は代々、人から人へ受け継がれたもので、今井さんはそれをまたいづれの日か誰かに受け継いでいかなくてはならない使命を帯びています。

火事の時にもすぐ持ち出せるように、いつも枕元に置いて寝ているそうです。

 

日本で小鼓奏者と呼べるのは数十人ほどだそうですが、60代より上の方が多く、今井さんのような40代より下の方は少ないとのこと。

伝統芸能の継承が案じられます。

 

日本の伝統芸能を守っていくのはいかに大変かの一端を垣間見ることができました。

そうした中、和の2拍子と踊りの3拍子の違いを乗り越えての今回の創作能の上演です。

伝統を守るだけでなく、新たな地平を切り拓こうとする心意気に打たれました。

 

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右 今井尋也さん  左 宮田恵さん

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後ろの「岩戸」は岡庭呑石先生の書

力強く、豪快です

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岡庭呑石先生の「鼓」

躍動感あふれる作品です